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風待ちblog

懐かしさに包まれながら歩く──工房への道

まだ夏の熱が残る、9月後半。
陽射しは少しやわらぎ、風の中に秋の気配が混じりはじめてきました。

海岸通りに車を停め、わたしはゆっくりと歩き出す。
向かう先は「工房アオトミドリ」
ここは、わたしが生まれた街――勝本。

わたしが育ったのは、在部(農村部)の方なので、この街並みを歩くのは、本家の祖父母を訪ねるときか、まち(通称)の友達の家に遊びに行くときくらいでした。だから、景色の変化に敏感なわけではないけれど、子どもの頃とあまり変わらない風景に、ふと懐かしさがこみ上げてきます。

石畳の道、浦部(漁村部)特有の軒を連ねる町屋、潮の香り。そんな小さな記憶のかけらを拾いながら、いつもより少しゆっくりと歩いて、目的地「工房アオトミドリ」へとたどり着きました。

わたしの故郷「勝本」

玄関をあけると・・・

玄関前には「工房アオトミドリ」の立て看板がちょこんと佇み、周囲の民家と似た造りの建物の中で、ここが “特別な場所” であることを静かに教えてくれます。

引き戸を「ガラガラガラ〜」と開けると、目に飛び込んでくるのは、懐かしさに満ちた昭和の玄関。今では少なくなった、すりガラスの引き戸、タイル張りの床、そして奥に見える少し急な階段。思わず「〇〇ちゃん、おる〜?」と声をかけたくなるような、子どもの頃の記憶がふわっとよみがえります。

けれど、ここはただのレトロ空間ではありません。足を踏み入れた瞬間、ふんわりと漂うアロマと天然木のいい香りが、やさしく包み込みます。昭和の懐かしさに、ウッディな癒しが重なり、五感が一気にリラックスモードへ。

そんな空間に響く「はーい、どうぞ〜♪」という優しい声。現れたのは、工房のオーナーであり “おねえちゃんにしたいランキングNo.1” (※わたし調べ)しのめぐさんの登場です✨

工房であることを知らせてくれるかわいい木の看板

おもてなしに ”キュン♡”

「工房アオトミドリ」を訪ねるのは、今回で二度目。

部屋の入口近くには、かわいらしいハンドメイド雑貨が並んでいて、つい足を止めてしまいます。その奥へ進むと、作業スペースを兼ねたリビングのような空間に案内されました。広めのダイニングテーブルが置かれた部屋で、ものづくりの気配と暮らしの温もりが心地よく混ざり合っています。

前回もそうでしたが、雑貨を眺めながら椅子に腰を下ろし、隣の椅子にトートバッグを置いた頃には、ふわっと珈琲のいい香りが漂ってきました。ほどなくして、地元で人気のドリップ珈琲とお茶菓子が目の前に。珈琲の味ももちろんですが、それ以上に陶芸家のおじさまが制作されたカップ&ソーサーの美しさに目を奪われます。今回も取材で来ていることを忘れてしまうほど、空間にすっかり浸ってしまいました。

人を迎える機会が多いからか、こうしたおもてなしを、まるで日常の動作のように自然にこなしてしまう。きっと幼い頃からそんな環境の中で育ち、自然と身についたものなのでしょう。言葉にはしませんでしたが、心の中では感謝と憧れの気持ちが湧いていました。

今回、「壱岐」×「粋」なひとの取材と並行して、 ”秋冬の壱岐しま旅プラン” の体験メニューについても打ち合わせをしました。

多彩なワークショップのなかから、じっくりと話し合い 「海の万華鏡づくり体験」に決定!

「海の万華鏡づくり体験」は、壱岐の海で拾ったシーグラスや貝殻を使って、自分だけのオリジナル万華鏡を作る体験です。旅行商品紹介ページへ詳しく掲載していますので、ぜひそちらもご覧ください✨

思わず瞳がキラキラしちゃうかわいい雑貨達💛

取材と打ち合わせが終わったあとは、写真撮影♪

どれもこれもセンス抜群!アーティストセンスZERO~♪のわたしからすると、なんともうらやましい✨

シーグラスアート、ひょうたんランプ、本革細工、陶芸作品、カラーサンドアートなどなど。とにかくどれをとっても、手作りの温かさ。1点ものの貴重さがひしひしと伝わります♪

おうちのリビングに飾るのもいいけど、ホテルのロビーや飲食店のレジカウンターに飾ると、その空間をほんわかとさせてくれるだろうな・・・。なんて考えながら写真を撮りました。blogを書くために写真の整理をしながらも「なんて素敵なの~♡」と改めてほれぼれとしてしまう雑貨の数々・・・

作り手が込める気持ちの大きさが、そうさせてしまうんでしょうね。

しのめぐさんの、ハンドメイド雑貨やワークシップで使用される材料には、壱岐の海岸で拾われたものが使用されています。シーグラスに貝殻・流木など、本来海洋ゴミとして扱わるものを「海の宝石」として再生。アップサイクルしアート作品に昇華させています。SDGs未来都市・壱岐の理念に沿った、環境と観光をつなぐ取り組みを行われているのです✨

ひょうたんアート作品
切り絵アート作品
本革作品コーナー
アクセサリー小物
シーグラスアート
ハンドメイド雑貨豊富な店内

体験ワークショップも盛りだくさん!

そして、こちらの工房では、以下のようなワークショップが定休日を除き随時開催されています♪

🧵 体験ワークショップ(随時開催)

  • シーグラスアート体験
  • 海の万華鏡づくり体験
  • 本革アップリケバッグづくり体験
  • カラーサンドアート体験
  • 海のフォトフレームづくり体験などなど

体験前には、シーグラスがどのように生まれるかを学べる紙芝居やクイズもあり、環境について学ぶことができます!離島初のSDGs未来都市に選定された壱岐で、海洋ゴミのガラスが「海の宝石」に生まれ変わることを知ることで、少しでも ”海洋ゴミ問題” ”環境問題” に興味を持ってもらえると嬉しいと始められたそうです。

カラーサンドアートはもちかえり安くお土産にピッタリ!我が家にもサボテンちゃんがいます~♪

詳しくはホームぺージをご覧ください♪

ノスタルジックな街に魅せられて~

しのめぐさんに、「壱岐の好きなところは何ですか?食べ物でも場所でも人でも何でもいいです」と尋ねると

「辰の島かな。あのエメラルドグリーンの海は何度見ても感動する。唯一無二というかんじ。上陸した先には、無人島だからこそ見れる景色がたくさんあるし、辰の島は本当に自慢できる場所。でも、やっぱり一番好きなのは勝本の街並みかな~。このノスタルジックで美しい街並み。ほかにも、港町はあるけれどここは特別。一日通して魅力的よね。朝は朝市があっていて、昼になれば辰の島遊覧とかのお客様でにぎわう。夜は街灯や船の灯りがきれい。勝本にくるたびに、あ~ここに住みたい。と思っていたから今すごく幸せ・・・」

勝本出身のわたしとしては、なんとも嬉しい回答✨テレテレ(*’ω’*)

しのめぐさんの故郷「芦辺」も魅力的な港町で、「芦辺」の街も好きだけど、勝本にはなにか本能につき動かされるような”縁”を感じて移住されたのかも。

「あ~た、なんしよんないと?勝本に住みたいとか、変わっちょんないね~(笑)。ばって勝本んことば誉めちくれちお~きん。あたいが家にも遊びんおいで」

※訳:あなた、なにしてらっしゃるの?勝本にお住まいになりたいなんてお変わりね。でも、勝本のことを誉めてくださってありがとう。わたしのおうちにも遊びにいらして。

しのめぐさんだけじゃなく、勝本に移住した方々には、日々こんな声かけがあっているかもしれませんね。めぐさんのみならず、勝本のことが好きで移住を決断してくれたみなさんありがとうございます!これから勝本の街がきっともっと元気になるはず♪

ノスタルジックな夜の街並み

志高く、常に試行錯誤

「工房アオトミドリ」を開業したきっかけは、
“島ならではの体験を届けられる場所をつくりたい”という想いから。

壱岐のこと、海洋ゴミのこと、島の人々の暮らしのこと。
ただものづくりをするだけでなく、訪れた人といろんな会話を交わしながら、
楽しい時間を共有できる場所にしたい――そんな願いが込められています。

観光の仕事に携わるなかで感じていた、もどかしさやジレンマ。
「もっとできることがあるんじゃないか」と、日々葛藤しながらも、
「ものづくりが好き」「海が好き」「そして何より壱岐が大好き」
その情熱に背中を押されるように移住し、工房を立ち上げたそうです。

やりたいことは山ほどある。
でも、スペースのこと、人手のこと、材料のこと――
現実的な課題を前に、ひとつひとつ丁寧に熟考しながら進めていく毎日。

オフシーズンの工夫も、新たな取り組みも、すべてが試行錯誤の連続。
その気持ち、わたしも痛いほど共感しています…!

書の道、新たなる挑戦

実は、しのめぐさんは書道の有段者。
雅号は「碧(こう)翆(すい)」――まさに「アオトミドリ」そのもの。
音の響きも、色のイメージも、彼女の世界観にぴったりで、思わず「すてき…!」と声が漏れてしまいました♡

今後は、ワークショップや作品の中に “書” のエッセンスを取り入れていきたいとのこと。
その構想を聞いたとき、インバウンド向けの旅行会社が目を輝かせて喜ぶ姿が、すぐに思い浮かびました。

筆を手にした外国の方が、壱岐の空気を吸いながら、わくわくとした表情で一筆を走らせる――
そんな光景を想像するだけで、こちらまで胸が高鳴ります。

旅行会社とのやりとり、現地でのお手伝い、準備や通訳など、わたしにできることがあれば何でもやります。ぜひ、いつかこのアイデアを形にしましょう。

ありそうでなかった「書道体験」。
それは、壱岐の島に新たな魅力を添える、静かで力強い一筆になるかもしれません。

共にささえあい・・・壱岐のために

ここ数年で、壱岐の観光のこと、未来のこと、そして壱岐の子どもたちのことを本気で考えてくれている人たちに、たくさん出会いました。
壱岐で生まれ育った人だけじゃなく、縁もゆかりもなかったのに、ただただこの島に魅せられて移住をしてきた人たちまでもが、「自分にできることはないか」と、それぞれの力を尽くしてくれている――その姿に、何度も心を動かされました。

今のわたしもそうですが、起業にはお金も体力も時間も必要です。
先のことを考えると、不安に押しつぶされそうになる日もある。
日々時間に追われていても、費やした時間がそのまま収入になるわけではない。
正直、安定に逃げたくなることだってあるけれど、それでも自分を奮い立たせてまた立ち上がる。

きっと、自営業の人たちは何年経ってもこの気持ちを抱えながら生きているんだと思います。

しのめぐさんは、いつも「周りの人に助けられている」と言います。
そして「感謝している」と、まっすぐに言葉にする人です。

人は、他人の挑戦をうらやむもの。
それが成功しているかどうかではなく、ただ楽しそうに、自由そうに見えるだけで、詮索したくなる。
第六感が鋭いわたしは、そんな空気をすぐに察してしまう。表情から、言葉の端々から、心理が透けて見えてしまうんです。(こわ~)

わたしの起業に対する反応も、正直さまざまで、「萎えるわ〜」と思うこともありました(´;ω;`)
わたしより先に起業しためぐさんは、もっとたくさん、そんな気持ちを味わってきたはず。

それでも、彼女は「人は人、わたしはわたし」と、何かあれば相談に乗ってくれ、力を貸してくれる仲間や家族の存在を動力にして前を向いている。

わたしも、家族や友達に支えられています。めぐさんのように感謝を忘れず、奮起していきたい。改めてそう思いました。

シーグラスができるまでの物語を紙芝居で紹介

秘密の計画・・・(ふふふ)

実は、わたし「〇〇〇〇」の資格取得のために勉強中です!

この資格をとって、めぐさんの「夜のクラフト会」に出店をしたいな~と考えているのです( ̄▽ ̄)

でも、これはめぐさんとわたしだけの ひ・み・つ ♡

ぜひ楽しみにしていてくださいませ♪

「工房アオトミドリ」は、壱岐のさまざまなアーティストによる ”夜のクラフト会” の開催場所となっています。(不定期の開催です)壱岐のひとだけでなく、観光でお越しのかたも参加できますので、 「工房アオトミドリ」のinstagramをフォローして最新情報をゲットしてくださいね♪

そして、「秋冬の壱岐しま旅プラン」では、 ”海の万華鏡づくり体験” がお得に利用できます。壱岐へ旅行を計画される際は、お気軽にお問合せください♪

めぐさんとともにお待ちしています~(^▽^)/

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